肩こりを徹底解説|姿勢・筋肉・血流と栄養の視点から考える肩こりの原因とセルフケア

その肩こり諦めないでください。
「肩が重くて夕方には首まで張る」「デスクワークの帰り道、頭が重い」「湿布やマッサージでその場しのぎをしているけど、繰り返してしまう」——こんなお悩みをお持ちではありませんか。肩こりは日本人の多くが経験する身近な不調ですが、じつはその原因は「肩」だけにあるとは限りません。姿勢、筋肉の使い方、血流、ストレス、呼吸さらには身体の内側からの栄養状態まで、さまざまな要素が関わっています。

このページでは肩こりに関わる全身の問題を考え、肩こりに関わる筋肉・姿勢・血流のメカニズム、栄養の視点、そしてご自宅でできるセルフケアまで徹底解説します。

目次

そもそも肩こりとは?

肩こりとは日本臨床整形外科学会によると、肩甲骨周囲にある筋肉の血行不良が原因で、筋肉がこる(かたくなる)状態と説明されています。その原因は、なで肩などの体型、職業、生活環境、ストレスなど実にさまざまで、高血圧や内臓の病気といった内科的疾患が関係していることもあるため注意が必要です。

肩こりに直接関わるとされる筋肉はいくつかあります。よく問題として上がるものが僧帽筋(首の後ろから肩、背中にかけて張る幅広い筋肉)で、そのほかに頭半棘筋、頭・頚板状筋、肩甲挙筋、棘上筋、小菱形筋、大菱形筋が挙げられます。
長時間同じ姿勢を続けると、これらの筋肉は緊張したまま血流が悪くなり、「こり」と「血流不良」の悪循環に陥りやすくなります。肩こりの改善の第一歩は、この悪循環を断ち切ること、つまり筋肉の緊張をゆるめ、血流を促すことです。

コリってなんなの?

肩こりや腰痛などでよく言われるコリですが、そもそもコリとはなんなのでしょうか。
実はコリというのは明確な原因がはっきりとわかっていないものです。定義としては、「1つの病名ではなく、首や肩周辺に起こる慢性的なこり・痛み・重だるさなどの症状を総称したもの」とされることが多いですが、「肩・首・肩甲帯部の”固くなった感じ””張っている感じ””重苦しい感じ””痛い感じ”」といった本人の自覚症状の集まりとして扱われています。

コリについて現在わかっていることは、同じ姿勢を続けることなどで筋肉の中で血管が圧迫されるなどして、血流が悪くなり酸素や栄養の供給が滞ることなどが原因として考えられています。
また、局所的にブラジキニンやヒスタミンといわれるような多くの発痛物質が増えている場所であるということがわかっています。

肩こりの原因

・頭部の前方姿勢とデスクワークやスマホの使いすぎ

猫背や長時間のコンピューター作業は、原疾患が明らかでない「肩こり」の代表的な原因とされています。
頭が前に突き出した姿勢では、首を支える筋肉に持続的な負荷がかかり続けます。
頭の重さは5キロ程度と言われており、頭部を前方に出した姿勢が続くと真っ直ぐであるときよりも格段に負荷が増えるため注意が必要です。
実際、スマートフォンを連続して使用すると、僧帽筋(特に左上部)に疲労が生じたという研究報告があります。

・浅い呼吸と肩こり

慢性の首こり・肩こりがある人では、呼吸筋力の低下や胸式優位の浅い呼吸パターンが多いという報告があります。
呼吸補助筋である胸鎖乳突筋・斜角筋が過活動になる可能性が示唆されており、長時間のデスクワークやストレスで呼吸が浅くなると首まわりの筋肉が呼吸を肩代わりしやすくなる可能性があると言われています。呼吸エクササイズで呼吸のパターンが変わることにより痛みが和らぐ可能性があります。

・運動不足と肩こり

運動不足は筋肉の血行不良を招きやすく、肩こりの要因になります。日本臨床整形外科学会も、なで肩などの体形や運動不足が肩こりの原因になりうると説明しています。
前頭位姿勢(スマホ首)の人では体幹の筋肉の持久力が低いという報告があり、腰部の体幹安定性の低さと首の痛み・関連を指摘されています 。

肩こりと栄養の関係

・マグネシウム|筋肉の緊張と緩みを支えるミネラル

マグネシウムは人体の構成に必須のミネラルで、さまざまな代謝(酵素反応やエネルギー産生など)を助ける働きを持ちます。また、体内では300種類以上の酵素の働きを助け、筋肉の収縮や神経情報の伝達にも関わるとされています。
筋肉が「こる」という状態は、筋肉が硬く緊張したまま弛緩しにくい状態でもあります。マグネシウムを意識した食事(海藻、大豆製品、ナッツ類、玄米・全粒穀物など)を取り入れることは、こうした観点からも検討する価値があります。

・鉄分|貧血が隠れていることも
貧血は肩こりの背景になりうる内科的疾患のひとつです。鉄欠乏性貧血では頭痛・疲労感・息切れといった症状も起こります。そのため、筋肉の緊張を招き肩こりの原因になります。
なお、カフェインには鉄分の吸収を妨げたり、マグネシウム・カルシウムの排泄を促したりする特徴があるため、なるべく食事との間隔をあけることが推奨されています。

自宅でできる肩こりエクササイズ

どれも「心地よい」と感じる範囲で行い、痛みが強まると感じたら中止してください。

①僧帽筋上部のストレッチ

目的:頭部前方姿勢で過緊張しやすい「首の後ろから肩へつながる筋肉(僧帽筋上部)」をゆるめます。

手順

  1. 背筋を伸ばして座り、右手を頭の左側に添えます。
  2. ゆっくり右耳を右肩に近づけるように頭を倒します。
  3. 左手は手のひらを下にして体側へ伸ばし、肩がすくまないようにします。
  4. 気持ちよく伸びる位置で、呼吸を止めずに20〜30秒キープ。反対側も同様に、左右2セットずつ行います。

デスクワークの合間に1回でも行うだけで、首・肩の張りが変わりやすくなります。

② 肩甲骨まわりのエクササイズ(背中の筋肉を目覚めさせる)

目的:猫背姿勢で働きが弱まりやすい背中側の筋肉(肩甲骨を寄せる筋肉)を活性化し、首・肩の負担を分散します。

手順

  1. 背筋を伸ばして座り、両腕を体側に下ろします。
  2. 肩の力を抜いたまま、肩甲骨を背中の中央に寄せるイメージで10秒キープ(胸を張りすぎないこと)。
  3. ゆっくり力を抜いて、合間に肩甲骨を外側へ開く動き(肩を前に丸める)を10秒。
  4. この「寄せる・開く」を5〜10回繰り返します。

研究では、このような僧帽筋・肩甲骨まわりのストレッチと首の深層筋の強化の組み合わせが、スマホ使用者の首の痛み改善に役立つ可能性が示されています。

③ 胸を開くストレッチ(猫背の巻き戻し)

目的:猫背で縮こまりやすい胸の前面をゆるめ、肩甲骨の動きをスムーズにします。

手順

  1. ドア枠の端に片手を添え、ひじを90度に曲げます。
  2. 腕を固定したまま、ゆっくり体を反対側へ回旋させます。
  3. 胸の前側〜脇の下が伸びる感覚のある位置で20〜30秒キープ。反対側も同様に行います。

まとめ

一概に肩こりと言っても原因は姿勢やストレス、運動不足など様々な原因があります。
もし改善しない肩こりでずっと悩んでいる方は、筋肉をほぐすだけではなく生活習慣や姿勢など肩以外の部分に目を向ける方が効果的なこともあるため見直してみてください。
しかし肩こりは、単なる疲労ではなく、高血圧や狭心症など他の疾患の一症状として現れていることもあります。
長く続く肩こりは自分で判断せず、内科的な部分にも注意を払うようにしましょう。

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