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整体師が持つ資格って?よくある勘違いや安心の整体院の見分け方を解説
はじめに|整体院は、どうやって選べばいいのか
肩や腰の重さが続いたとき、整体院を探そうと考えても、店舗の数が多くてどこから見ればいいのか迷ってしまう。そんな声をよく聞きます。
同じ「整体」という看板でも、そこで働く人の学びの背景や、体への向き合い方はさまざまです。だからこそ、選ぶ側が「何を見ればいいのか」を知っておくと、自分に合う一軒にたどり着きやすくなります。
このページでは、整体という仕事に資格は必要なのか、法律ではどんな線引きがされているのか、どんな資格を持つ人がいるのか、そして安心して相談できる整体院を選ぶときに確認したいポイントを整理しました。
整体にはどんな資格があるのか
最初に知っておいていただきたいのは、「整体師」という名称の国家資格は存在しない、という点です。整体という言葉は、特定の資格や法律で定義された業務名ではなく、体に手をあてて状態を整える取り組みを広く指す呼び方として使われています。
そのため、整体を行うのに資格を取ることが法律で義務づけられている、という決まりはありません。届け出をしなければならない、というものでもありません。これは、整体院を選ぶときにどの程度の水準なのか「資格があるかどうか」だけでは判断しきれない理由でもあります。
一方で、資格がなくても何をしてもよい、という意味ではありません。法律で決められた線引きがあり、そこに踏み込めば違法になります。次は、その線引きを見ていきます。
整体の法律で決められた線引き
医師法では、「医師でなければ、医業をなしてはならない」と定められています。ここでいう医業とは、医師の医学的な判断と技術がなければ、人の健康に害を及ぼすおそれがある行為を指します。病気かどうかを判断すること、その判断に基づいて体に働きかけることは、この領域にあたります。
整体院で病名を告げられたり、それに基づく対応を説明されたりした場合は、慎重に受け止めてください。体の状態を説明することと、病気を判断することは、別のものです。
医療類似行為という考え方
厚生労働省は、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう、柔道整復以外の、これらに似た行為を「医業類似行為」として扱い、その取扱いについて通知を出しています。整体やカイロプラクティックは、この整理のなかで位置づけられています。
通知では、人の健康に害を及ぼすおそれのない限度で行うこと、禁忌となる状態をきちんと見分けること、危険な手技を避けること、そして必要な人が医療を受けられなくなることのないようにすることが求められています。誇大な広告も、この通知で注意の対象とされています。
つまり、法律上は自由に行える部分があるとしても、無制限に行えるわけではない、ということです。この前提を理解している院かどうかは、選ぶうえでの一つの手がかりになります。
施術者が併せて持つことのある国家資格
体に触れる人が、整体とは別の国家資格を併せて持っているケースは少なくありません。代表的なものを挙げます。
柔道整復師
厚生労働大臣の免許を受ける国家資格です。養成校や大学で基礎医学や関係法規を学び、国家試験に合格して取得します。骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷といった外傷に対して、手術によらず整復・固定・その後のケアを行うことを業務としています。
整骨院(接骨院)という看板は、この資格を持つ人が開くことが一般的です。
あん摩マッサージ師
あはき法という法律に基づく国家資格です。なでる、もむ、押す、叩くといった手技を業として行うことができます。
ここは少し注意が必要な点で、「マッサージ」を業として行えるのは、医師とあん摩マッサージ指圧師だけ、とされています(業務独占)。つまり、この資格を持たない人が「マッサージ」という名称で仕事として行うことは、法律上認められていません。「もみほぐし」といった別の呼び方で提供されていることが多いのは、この線引きと関係しています。
はり師・きゅう師
鍼(はり)と灸(きゅう)を用いる国家資格です。はり師ときゅう師は別々の資格ですが、養成施設では両方を同時に学ぶことが一般的です。
理学療法士・作業療法士
医療機関や介護の現場で働く国家資格です。体の動きや日常生活の動作を支える専門職で、整体院で働く人の中にも、この資格を持つ人がいます。
民間資格は、数が多くて判断が難しい
整体の世界には、民間の団体やスクールが発行する資格が数多くあります。数日間の講習を終えたときに渡される認定証のようなものから、数年かけて技術を積み上げるものまで、幅はとても広いです。
取得までの期間も、学ぶ内容も、団体ごとに違います。そのため、民間資格の名前だけを見て技術の水準を推し量るのは簡単ではありません。名前がよく知られている資格ほど安心、という単純な話でもありません。
とはいえ、民間資格に意味がない、という話でもありません。同じ考え方や手技を体系的に学ぶ場があるということは、その人が一定の時間をかけて学んできた手がかりのひとつにはなります。判断の材料のひとつとして受け止めるのが現実的です。
施術手技には様々な種類がある
整体とひとくちに言っても、その背景にある考え方はさまざまです。ここでは、よく名前が挙がるものを簡単に紹介します。どれが優れているという話ではなく、好みや体質との相性があるという前提で読んでいただければと思います。
カイロプラクティック
背骨をはじめとする体の構造に着目し、手技によって関節の動きや体の機能に働きかける考え方です。日本にはカイロプラクティックを取り締まる法律がなく、教育の有無にかかわらず開業できる状態にあります。世界保健機関(WHO)が教育の指針を示しており、欧米を中心に40か国以上で法制化されている一方、日本はその法整備がまだ無く、同じ「カイロ」という看板でも、学びの背景には差があるのが現状です。
オステオパシー
体をばらばらな部品の集まりではなく、ひとつのまとまりとしてとらえます。構造と循環などの機能は互いに影響し合うという考え方を土台に、体が本来持っている調整のはたらきを引き出すことを目指す手技です。アメリカやヨーロッパでは医師免許として扱われたり資格整備されている一方、日本ではカイロと同じく法整備がまだ無く、学びの程度には差があるのが現状です。
整体院を選ぶときに確認したいこと
ここまでの内容を踏まえて、実際に選ぶときの確認ポイントをまとめます。
| 資格の有無と種類 | 国家資格の有無、民間資格の種類をホームページや院内の掲示で確認する |
| 学んできたこと | どの考え方や手技を学んだか、どこで学んだかが書かれているか |
| 問診の丁寧さ | 症状や生活の状況を聞き取る時間が確保されているか |
| 説明のわかりやすさ | 体の状態や進め方を、専門用語ばかりでなく説明してくれるか |
| 料金の明確さ | 料金や時間、通う回数の目安が事前に示されているか |
| 清潔さ | 院内や器具が清潔に保たれているか |
| 押しつけがないか | 長期の契約や高額な商品を強く勧められないか |
| 通いやすさ | 立地や営業時間、予約の取りやすさが生活に合うか |
| 相性 | 力加減や話し方が自分に合うか。合わなければ変えてよい |
とくに大切なのは、最後の「相性」です。どれだけ資格が立派でも、強くもまれて痛い思いをする、説明がよくわからない、という状態が続くなら、その一軒はあなたに合っていないかもしれません。整体は体に直接触れるものなので、少しでも不安があれば、遠慮なく別の選択肢を試してみてよいのだと思います。
体に触れてもらう前に伝えておきたいこと
安心して受けていただくために、次のことは事前に伝えてください。
- 通院中の病気がある、薬を飲んでいる
- 妊娠中、またはその可能性がある
- これまでのケガや手術の経験
- 骨が弱いと言われたことがある
- 直前に食事をとった、酒を飲んだ
- 力加減の希望(痛い施術が嫌だなど)
伝えにくいことでも、体に触れる前であれば口にしやすいはずです。伝えたうえで対応を相談するのが、いちばん安全な進め方です。
こんな整体院は一回立ち止まりましょう
残念ながら、すべての院が同じ姿勢で運営されているわけではありません。次のような場合は、その場で決めずに、いったん持ち帰ることをおすすめします。
- 病名を告げたり、医療行為にあたることを標榜したりする
- 骨折や脱臼を元に戻せると言う
- 慢性的な症状にも健康保険が使えると言う
- 長期の契約や高額な商品を強く勧める
- 「確実によくなる」といった断定で話す
- 医療機関を受診しようとすると、引き止める
- 料金や時間の説明が曖昧なまま進めようとする
整体は、医療機関での確認が前提にある行為です。体の異変に気づいたときは、まず医療機関へ、という順番を大事にしている院を選びたいところです。
よくある質問
Q. 資格がない整体院には行かないほうがいいですか?
A. 資格の有無だけで判断するのは難しい、というのが実際のところです。国家資格は学んできた内容を知る手がかりになりますが、それだけで技術の高さが決まるわけではありません。問診や説明の丁寧さ、体に触れたときの安心感もあわせて見てください。
Q. 整体と整骨院は、どう違うのですか?
A. 整骨院は、柔道整復師が開くことが一般的で、骨折・脱臼・打撲・捻挫などの外傷に対して、一定の条件のもとで健康保険を使える場合があります。整体は基本的に自費で、慢性的な不調や姿勢の相談に向いていることが多いです。
Q. 整体は「医療」なのですか?
A. 整体は、法律で定められた医療そのものではありません。医師でなければ行えないとされる領域があり、整体はその手前に位置づけられます。だからこそ、体の異変を感じたときは、まず医療機関で確認するという順番が大切になります。
Q. 整体院と医療機関は、どう使い分ければいいですか?
A. 発熱、しびれ、力の入りにくさ、急な激痛などがある場合は、まず医療機関へ。原因がはっきりしない慢性的な重さや、姿勢・体の使い方の相談は、整体が向いていることがあります。両方を使い分けるのが現実的です。
Q. 「整体」と「カイロプラクティック」は同じですか?
A. カイロプラクティックは、整体という広い呼び方のなかに含めて説明されることが多いです。ただし、学ぶ内容や考え方は流派によって異なります。看板の言葉だけでなく、その院が何を大事にしているかを見てみてください。
Q. 整体院で「マッサージ」と書いてあったら?
A. 「マッサージ」を業として行えるのは、医師とあん摩マッサージ指圧師に限られるとされています。気になる場合は、どのような資格を持つ人が担当するのかを確認してみるとよいでしょう。
Q. 何回通えばいいですか?
A. 状態によって異なります。最初の数回で変化を確認し、その後は間隔をあけながら進めるのが一般的です。回数を決め打ちで求められる場合は、理由を聞いてみてください。
まとめ
整体師という国家資格は存在せず、整体を行うのに資格が欠かせない、という決まりもありません。だからこそ、お店ごとの違いが大きく、選ぶ側の目が大切になります。
確認したいのは、資格の有無だけにとどまりません。法律で決められた線引きを理解しているか、どんな考え方を学んできたのか、問診や説明は丁寧か、料金は明確か、そして何より、体に触れられたときに安心できるか。これらを少しずつ確かめていけば、自分に合う一軒に近づけます。
